令和5年、皆様明けましておめでとうございます。
2022年はたくさんのご縁に恵まれました。本年もよろしくお願いいたします。
さて、この記事については新製品のおしらせと、ある意味独白ともとれる私の構想を紹介する予定です!
まず新製品から。
2022年代表の最もお気に入りだったアイテム、SAMPO BAGに弟ができました!
その名もちびサンポバッグです。本職の方に使っていただきたい仕様をたくさん詰め込んでいるので、Tacticalという識別符号をつけております。今後、サンポバッグは2つのサイズ、2つのラインにわかれることになります。というわけで、前もってお知らせしておきますと、「サンポバッグタクティカル」と「ちびサンポバッグ」もそのうち新製品として追加したいと思っております。お楽しみに!
そして2つ目の追加商品は、個人用救急品袋,緊急切り離し内袋付です。
これは、現在陸上自衛隊に採用されている救急品袋を実際に使ってみて、あるいはご意見を収集し、救急品袋のいいところ悪いところ、いる仕様いらない仕様を洗い出し、再構成してみたらどのようなものができあがるか?といった構想から生まれたものです。
この構想こそが、StageHand Tacticalが打ち出す個人用救急品袋構想なのです。
まず、救急品袋として必要最低限の機能を洗い出します。
1.個人に配布される救急入組品を、使用感に問題なく全て確実に保持できること。
2.救急品の汚損・水没を防ぐこと。
3.緊急時に素早く自己治療ができ、もしくは他者からの治療が受けられること。
このうち3の他者からの治療については、負傷時に使われる救急品は負傷者のものであるという原則に基づいたものです。
現行の救急品袋は、1の段階で容量不足であるという問題点があがります。丸々と太ったはち切れそうなポーチを弾帯に装着した隊員の写真を見たことがありますが、何かの拍子に背面のボタンがとれやしないか、とれたときに脱落防止のインシュロックに頼り切りになりやしないかとひやひやしてしまいます。
また、2と3はある種トレードオフであると考えます。止水ジッパーを採用する場合、動きが悪く片腕で開けにくいという意見があります。自慢することではありませんが、現職時にこのジッパーのせいで死亡の状況を付与されたことがあり、トラウマじみた思い出になってしまっております。代わりに採用するのは、コイルファスナーです。非常になめらかでよいものですが、このままだと防水に難ありといったところでしょうか。
Stagehand Tacticalの救急品袋は、これらの問題を軽減するために、容量を約2倍に増やし、コイルファスナーをカバーするジッパーカバーをつけました。このジッパーカバーも、動きを阻害する恐れのある片側から完全に覆ってしまう方式ではなく、両側からファスナーの中間点まで覆う方式を採用しております。
それから、身体から切り離せるインサートを採用したことで3の「素早く治療できる」という機能を付加しました。いわゆるカッタウェイ機能というやつですが、そもそも官給品の救急品袋以外使うことができないという部署の方はブローアウトキットを使っておられるようです。
ブローアウトキットについては、これは本当に個人の意見になってしまいますが、穴掘りとか藪こぎとかしてる時に、隙間からベルクロに塵芥が侵入してしまう恐れがあってあまり好きではなかったので採用しませんでした。
次に、あった方がいい機能と、その他の論点です。
1.使用者以外から救急品袋であると認識されること。
2.全開にした時に、どこに何があるか一目でわかること。
3.表面の平ポケットの必要性
新隊員から定年間際のベテランまで、「これは救急品袋だ、救急品袋ではないか?」と見て分からないと、いざという時に「お前救急品袋はどこについているんだ」という事態になってしまわないだろうか、というアイデアが1です。Stagehandの商品でも、極力似せるような努力をしています。
2については文面のままです。クリアフィルムを使って、少しでも視認性をよくしました。救急品のような普段使わないような物品は、パッケージで覚えているようなこと、たまにありますよね。パッケージが大きく変わった商品を探して売場をうろつく、という風に例えると、自衛官でなくてもわかりやすいかもしれません。それと併せて、インサートを裏表使わなかったことも一目でわかりやすくする工夫でしょうか。
3についてですが、これは人によって意見がわかれるようです。平たい物の保管に便利だし、救急品袋はこのポケットとウェビングがあるから救急品袋だと認識できるという意見もあるようです。なくてもかまわないというご意見については、そもそも使いにくい、使わないという意見が多いようです。Stagehandの製品では、ここはCATホルダーにしてしまっておりますが、正直に申し上げて代表も非常に迷っている点であります・・・。
さて、長々とご説明させていただきましたが、色々と考え、NARPやTYRやCMSなんかのカタログを見ていると、ある一つの考えにたどり着きました。
「これ、一つのポーチで収まる話じゃねえや!」
ということです。あながち冗談でもなくて、ほしい人はこれらの機能だけでも満足できないでしょうし、いらない人はもう少し機能絞ってもいいでしょう。それに、CATだって救急品袋に入っていない方がいいという意見もあるのです。そもそも、私の提唱する構想では救急品袋にCATポーチを2つセットにして販売するという計画だったのですから・・・。
以上が、今回リリースした救急品袋の開発経緯と、なぜTier.2という番号がついているのか、ということの説明でした。今後、少しずつですが機能を増やしたTier.1や減らしたTier.3、CATポーチを開発していきます。2023年の抱負は、それでよろしいでしょうか?笑