2022.9.1 New Arrival

2022.9.1 New Arrival

涼しくなったりまた酷暑が戻ってきたり、台風が鋭角気味にカーブしたり、令和は本当に忙しいですね。

今日は、既製品のモジュラーハンガーGPポーチの新色追加です。

以前より、マルチカムで作ってくださいというお声を頂戴しておりましたので、作り手としても「まあ確かに現代の主要迷彩柄といえるマルチカムを無視するわけにいかんだろう」と判断し、作成を決めました。

一部仕様変更もしましたので、是非手に取っていただければと思います。サイズ感として、かなり使いやすい大きさなのではないかと思っております。

 

さて、散々引っ張ってきたコラムのコーナーです。

前回は、ポーチの背面構造には何があるのか?というテーマで3種類の方式を紹介いたしました。
PT方式、スナップボタン方式、MALICE Clip方式の3種類です。
今回は、一つ目のPT方式にもう一歩踏み込んで紹介できればと思います。

まず前提として、「PT方式」と呼んでいるのはSHT代表の私だけです。前回述べたとおりですが、Plug in the Tagを縮めてPTと呼んでいるだけでございます。そのため、例えばパラクレイトのポーチを友達に紹介するときに、「この背面の構造はPT方式って言ってさ」みたいな紹介はしないことをお勧めします。私がこのブログで紹介するためだけに作った造語です。

PT方式を採用している代表的なメーカーはParacleteです。1インチではない独特な太さのウェビングを二つ折りにして接続用プラグを作り、MOLLE配置した生地に差し込んで固定をする、といった方式です。
Paracleteのもう一つの特徴として、プラグに引手がついている、というところです。これがなかなか曲者でして、「邪魔だ」という意見が多いのではないかと思われます。
ただし、その引手をつかった工夫がある、というのは注目すべき点です。いわく、ミディアムGPポーチの外側プラグの引手部分にサスペンダーを通し、結束バンドなどで更に固定することである種のチェストポーチとして使う、ということです。画像がないとわかりにくいですね・・・。

また、LBTはスナップボタン方式も併用されているようですが、大型のポーチにはPT方式を採用することがあるようです。
LBTでは、差し込む部分にいれている芯材を完全に覆っていません。ウェビングに芯材を縫い付けている、という言い方で伝わるでしょうか。

Paracleteではウェビングで芯材を覆ってしまっていますが、LBTは縫い付けているだけです。

また、最近人気のTYRやTAGなどもPT方式と言えるでしょう。Paracleteのような薄手のウェビングで引手を作らず、プラグに使われているウェビングを折りたたんで引手として使われています。

BFGのヘリウムウィスパー構造については、よく似ていますが「固定している要素が違うから別」です。ヘリウムウィスパー方式は、実際のところベルクロでの固定です。レーザーカットで切り出されたラミネート生地プラグに、ベルクロを貼り付けていますよね。PT方式は、プラグに芯材を仕込んでいることで、その芯材と、生地あるいはウェビングとの間にてこの関係がうまれます。ポーチの前後移動に対して、てこの力で抵抗しているということですね。

PT方式に似た固定方法は、ポーチの背面だけではなく今も様々な製品に採用されています。このコラムを見ている方も、探してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、代表が最近知ったPT方式で感心したのは、Ferro Conceptのバックパネルの上下についている固定用の爪でした。

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