本日追加しましたのは、昔ながらのパラクレイト・DBTを彷彿とさせるスタイルのガスマスクバッグに、陸上自衛隊の防護マスクのような携行方式を融合させたモデル、多種携行方式防護マスクバッグです。
一目見て「ガスマスクが入っている」とわかる大きさのバッグに、ミルスペック部材であるDリングをとりつけ、さらに肩紐・腰ベルトを付属させました。
これを、アメリカ製ギアを自衛隊に近づけた、とみるか。それとも、自衛隊の防護マスクケースを防弾チョッキに直付けできるようにした、とみるか。手に取る方のさじ加減かもしれませんね。
さて、このコラムについて、いつもはしょうもない話をしておりますが、本来タクティカルギアを購入して使用しているだけだった私がタクティカルギアを生み出す立場となったことを踏まえまして、少しずつギア作成に関することもお話できたらと思います。
本日は、ポーチをキャリアーに取り付ける「背面接続方式」のお話。
当店では、ポーチ類は基本的に、パラクレイトやTAGが採用している方式を採用しております。ウェビングに硬質樹脂の芯を縫い付けるだけですが、比較的強固にポーチを取り付けることができます。
この経済性と利便性が採用のポイントになりました。便宜的に、メーカーの頭文字を拝借し、あるいはPlug in the Tag(タグを差し込む)を縮めてPT方式と呼ぶことにしましょう。
当店で施工可能な方式として、もう一つスナップボタンを利用した方式があります。EAGLEやLBTが採用しています。こちらの利点としては、スナップボタン自体日本人にも広く普及しているため、タクティカルギアに慣れていない人でもなんとなく使い方がわかる、というものがあります。
スナップボタンは、米軍でもNASM27980F、MIL-DTL-10884Hなどの番号を得て、しっかりと規格化されています。当然ですが、全文英語ですが、読むと概ね理解することができるでしょう。当店でもシンプルにスナップボタン方式と呼びます。
また、イレギュラーかつ賛否両論あるのは、Tactical Taylor社が製造しているMALICE Clip方式です。工具を使わないと爪がはがれそうになるとか、着脱が鬼のように面倒だ、とか様々なご意見あるようですが、私はそれなりに利点があるのではないかな、と思っております。
まず、樹脂パーツなので手入れが楽です。ポーチからクリップを引き抜いてしまえば、濡れタオルで拭ったり使い捨て歯ブラシなどでこすれば元通り綺麗になるほか、例えばMALICE Clipだけを単体で所持しておくと緊急的な補修具として使うこともできるでしょう。ポーチ背面の接続用ベルトが切れてしまったPT方式のポーチも、MALICE Clipで安価によみがえらせることができます。
賛否両論ある方式ですが、Crye Precision 330Dシリーズでも、Horizontalポーチに使用されていたりするので、決して悪手ではないのだと考えています。
次回は、PT方式の詳細をご紹介する予定です。